実家じまいは、片付け・手続き・家の処分・家族との調整が同時に走る長期プロジェクトです。「何をどの順番でやればいいのか、全体像が見えない」という不安が、最初のつまずきになりがちです。

この記事では、実家じまいでやることを「着手前」「片付け中」「家の処分」「完了後」の4フェーズに分けたチェックリストとしてまとめました。上から順に確認していけば抜け漏れを防げる構成にしています。印刷やスクリーンショットで手元に置き、進捗管理にお使いください。

実家じまいの全体像:4つのフェーズ

まず全体の流れを押さえましょう。実家じまいは次の4フェーズで進みます。

  1. 着手前:家族の合意形成と計画づくり(最重要フェーズ)
  2. 片付け中:家財の仕分けと処分
  3. 家の処分:売却・賃貸・解体などの実行
  4. 完了後:各種手続きの締めと関係先への挨拶

期間の目安は、全体で半年〜2年程度が一般的です。実家じまいの成否は、実は最初の「着手前」フェーズでほぼ決まります。焦って片付けから始めず、計画と合意づくりに時間をかけてください。各ステップの詳しい進め方は実家じまいの進め方7ステップで解説しています。

フェーズ1:着手前のチェックリスト

  • □ 実家じまいの理由と目標時期を明確にした
  • □ 親の意向を確認した(存命の場合。勝手に進めない)
  • □ 兄弟姉妹など関係者全員に方針を共有した
  • □ 費用の負担割合と作業の分担を話し合った
  • □ 家の名義・登記を確認した(相続登記が済んでいるか)
  • □ 権利書・保険証券・通帳など重要書類の保管場所を確認した
  • □ 家の処分方針(売る・貸す・解体・維持)の仮決めをした
  • □ 全体スケジュールを立て、家族で共有した
注意: 相続した家の名義が親や祖父母のままだと、売却などの処分ができません。相続登記は義務化されており期限もあるため、未了の場合は早めに司法書士へ相談してください。

親が亡くなった直後の場合は、実家じまいの前に行政手続きや相続の手続きが多数あります。親が亡くなったらやることリストで時系列に確認できます。

フェーズ2:片付け中のチェックリスト

  • □ 貴重品(現金・通帳・印鑑・権利書・貴金属)を最初に探して確保した
  • □ 残す物・譲る物・売る物・捨てる物の仕分けルールを決めた
  • □ 形見分けの希望を家族全員に確認した
  • □ 写真・手紙など思い出の品は最後に回した(保留箱を用意)
  • □ 自治体の粗大ゴミ回収のルールと料金を確認した
  • □ 不用品回収・遺品整理業者の相見積もりを2〜3社から取った
  • □ 売れる物(家電・骨董・着物など)の査定を依頼した
  • □ 仏壇・神棚・遺影など供養が必要な物の扱いを決めた

フェーズ3:家の処分のチェックリスト

  • □ 不動産会社に査定を依頼した(複数社に依頼)
  • □ 売却・賃貸・解体・維持のどれにするか家族で最終決定した
  • □ 解体する場合、解体業者の相見積もりを取った
  • □ 税金の特例や補助金の有無を専門家(税理士・自治体窓口)に確認した
  • □ 電気・ガス・水道の停止手続きをした
  • □ 郵便物の転送手続きをした
  • □ 火災保険の解約・切り替えを確認した
  • □ 引き渡し・解体前に最終確認(残置物・思い出の品の見落とし)をした

フェーズ4:完了後のチェックリスト

  • □ 売却代金の分配や費用精算を家族間で完了した
  • □ 確定申告の要否を税理士に確認した(売却益が出た場合など)
  • □ 登記関係の手続き完了を確認した
  • □ 近隣・親戚など関係先への挨拶と報告をした
  • □ 保管を続ける思い出の品の置き場所を決めた
  • □ かかった費用と手続きの記録を家族で共有・保管した

フェーズ別の期間と費用の目安

フェーズ期間の目安主な費用の目安
着手前(話し合い・計画)1〜3か月程度ほぼ0円(交通費など)
片付け中2か月〜1年程度10万〜80万円程度(業者利用の場合)
家の処分(売却・解体)3か月〜1年程度解体する場合100万〜300万円程度
完了後の手続き1〜2か月程度専門家報酬など数万〜数十万円程度

※金額は一般的な目安です。条件により変動します。

ポイント: チェックリストは「全部やる」ためではなく「抜け漏れに気づく」ための道具です。ご家庭の状況に合わせて不要な項目は消し、必要な項目を書き足して、わが家専用のリストに育ててください。

よくある質問

Q. チェックリストの中で、特に忘れやすい項目はどれですか?

経験者の声で多いのは「火災保険の解約・切り替え」「郵便物の転送」「仏壇の供養」の3つです。いずれも片付けや売却の忙しさの中で後回しになりがちです。特に空き家期間中の火災保険は補償内容が変わる場合があるため、保険会社への確認を忘れないようにしましょう。

Q. どの項目から専門家に相談すべきですか?

名義・登記に関することは司法書士、税金は税理士、家の売却・賃貸は不動産会社が窓口です。「着手前」フェーズの名義確認の時点で一度専門家に相談しておくと、後のフェーズの段取りが立てやすくなります。初回相談を無料で受け付けている事務所も多くあります。

Q. 親が存命の場合もこのリストは使えますか?

使えます。ただし主役は親本人です。各項目の判断は親の意向を最優先にし、「親の意向を確認した」のチェックをすべてのフェーズで意識してください。存命中は時間をかけられるのが最大の強みなので、無理のないペースで進めましょう。

まとめ

実家じまいは、着手前・片付け中・家の処分・完了後の4フェーズに分けて考えれば、やるべきことが整理され、抜け漏れも防げます。特に着手前の合意形成と名義確認が全体の土台です。

このチェックリストを手元に置き、できた項目にチェックを入れながら進めてください。進捗が目に見えることが、長丁場を乗り切るいちばんの支えになります。詳しい手順は実家じまいの進め方7ステップもあわせてご覧ください。